かきむしる

湿度と温度が高い日々が続くこの時期、皮膚科を訪れる人が増えるのをご存じでしたか? 
左手首だけが痒くなるなど、ランダムな1ヶ所だけが一過性のアトピー性皮膚炎のようになる症状が増えています。

実はこれ、毛虫が原因であることが多いようです。大人になると、毛虫に触る機会など皆無なように思えますが、大きな木の下を通った時に上から落ちてきているなど、ほとんどの人がいつ毛虫に接触したかわからないことが多いそうです。

週末に緑の多いところでバーベキューを計画している人は、よく注意してください。万が一毛虫が衣服についた場合、洗濯をしても毒毛が取れないこともあります。医師に相談して毒性の高い毛虫の可能性が高いときは、できればその衣服を捨ててしまいましょう。

一過性のかゆみとは違い、慢性的なかゆみを伴う皮膚疾患でポピュラーなのがアトピー性皮膚炎ですが、このたび広島大学大学院の研究チームにより、新たなアトピー新薬の開発に役立つ結果が明らかになりました。

 

■かゆみの原因は人間が誰しももつカビ!?

研究では、アレルギーを持たない人の皮膚にも存在する真菌のグロボーサが、汗に溶けることでタンパク質を合成することがわかりました。そして、そのタンパク質に反応してかゆみを引き起こすヒスタミンが、体内で増えてしまうことが明らかになったのです。

これまでも、アトピーと汗の関係性は重要視されてきました。かゆみが出やすい部分は汗のたまりやすいひじ・ひざの裏・首といったところだったからです。しかし、どの成分が具体的にかゆみを引き起こすのかは、わかっていませんでした。

 

■アトピー性皮膚炎の人は汗をすぐ拭くのが適策

アトピー性皮膚炎の人のうち、約80%は汗に対するアレルギーがあることがわかっています。アトピーを持たない人が、カビから溶けだしたものと同じタンパク質を与えられても変化は見られませんでした。

汗でかぶれやすい人はできるだけ早く汗を吸い取るか拭き取るかをして、皮膚を清潔にすることが得策と考えられます。

体の1ヶ所を強く掻くと 血中にかゆみを引き起こすヒスタミンが作られ、血液に乗って体中をヒスタミンが巡ることになります。すると痒い箇所は全身に現れてしまうことも。かゆみを我慢するのはとても辛いですが、掻いて皮膚を傷つけて跡が残るより、氷で冷やすなどしてできるだけ掻かないようにしましょう。

 

去年までは汗で痒くなることがなかった人も、体調の変化によって若干体質が変わることもあります。虫が増え、汗をかきやすくなるこの時期は、自分のかゆみの原因を把握し、それにあった対処を行いましょう。

転載元:http://www.biranger.jp/archives/73163