1980年代後半に減少したといわれている”アタマジラミ”。人間の頭髪に寄生して吸血をしながら繁殖するこの寄生虫が今、再び増加傾向にあるということをご存知ですか?
かつてはシラミというと、不潔な環境が原因だといわれてきたのですが、アタマジラミは衛生状態の良い先進国でもよく発生しており、特に体や頭をくっつけて遊ぶことが多い子供を中心に感染が広まりやすいのだそう。
では、近年大人にも感染者が急増している理由とは何なのでしょう? それは、アタマジラミのことを知らない人が増えたことや、北米、ヨーロッパ、アジア、その他の南国などアタマジラミの感染者が増えている土地へ、海外旅行をする人が増えたことに関係しているそう。
子供だけではなく大人にも感染が広がっていて、普通の生活をしていても感染する可能性があるというアタマジラミ。今回は、アタマジラミの感染を防ぐ方法について勉強していきましょう。
■アタマジラミの特徴
人間の頭髪に寄生するアタマジラミは、オスが2mm、メスが3mm、卵が0.5mmととても小さな寄生虫です。卵が髪に産みつけられてから約10日で幼虫になり、それから8~10日で成虫になり、なんとメスは1ヶ月の間に約200~300個の卵を産むといいます。その主な感染原因は、頭髪の直接的、間接的接触だといいます。
「私の頭髪は大丈夫?」とアタマジラミの成虫を探そうとしても、小さくて動きが速いので見つけることは難しいのですが、よく探すと卵を見つけることはできます。「頭に激しい痒みがある」「髪の毛の根元に爪でしごいても取れない白いものがついている」という人は、感染している可能性があるかもしれません。
今、「もしかしたら感染しているかも!」と思った人は、ドラッグストアで販売している駆除専用のシャンプーを使ってみてください。それでも効かないという人は、保健所に相談しましょう。
それでは次に、アタマジラミから身を守る方法をご紹介します。
■アタマジラミから身を守る方法
これからの季節は、プールや海でのレジャー、帽子の着用などアタマジラミに感染するリスクが高まります。下記のポイントに気をつけて、アタマジラミから身を守りましょう。
(1)丁寧にシャンプーをして、ドライヤーで髪を十分に乾かす。
(2)目の細かいクシで髪をすく。
(3)クシやブラシの貸し借りをしない。
(4)タオルの貸し借りをしない。
(5)ソファの背もたれに頭をつけない。
(6)プールに入るときは着帽する。
(7)帽子を試着するときは、直接触れないように頭にハンカチを巻く。
(8)枕カバーやシーツ類はマメに取り換えて、清潔にする。
アタマジラミの成虫は熱に弱いので、シャンプーの後にドライヤーで髪を乾かすだけでも予防になります。感染しないための知識を身につけ、楽しい夏を過ごしてください。
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